フレイル予防にトレーニング|いつまでも自分らしく動ける身体をつくる方法

「最近、歩くのが遅くなった」「階段が少しつらくなった」「以前より疲れやすくなった」。 このような変化が増えてきた場合、単なる年齢の変化ではなく、身体の機能が少しずつ低下しているサインかもしれません。
年齢を重ねると、筋力や体力、バランス能力、活動量などが少しずつ低下することがあります。 その状態が進行すると、日常生活でできることが減り、介護が必要になるリスクにもつながります。
そこで大切になるのが「フレイルを予防するために、身体を動かす習慣をつくること」です。 トレーニングは筋肉を鍛えるだけではなく、立つ・歩く・階段を上る・物を持つといった日常生活に必要な身体機能を維持することにも役立ちます。
目次
フレイルとは?
フレイルとは、加齢に伴って身体的・精神的・社会的な機能が少しずつ低下し、健康な状態と介護が必要な状態の中間にあるような状態を指します。
たとえば、筋力が落ちて歩く速度が遅くなったり、疲れやすくなったり、外出する機会が減ったりすることがあります。 一つひとつは小さな変化でも、それらが重なることで日常生活に影響することがあります。
フレイルは「年齢だから仕方がない」とあきらめるものではありません。 早い段階で身体活動や食事、社会参加などの生活習慣を見直すことが重要です。
フレイルが起こる原因
フレイルは、一つの原因だけで起こるものではありません。 身体活動量の低下、筋力低下、低栄養、病気、外出や人との交流の減少など、さまざまな要因が関係します。
- 筋力や体力の低下
- 運動不足・身体活動量の低下
- 食事量やたんぱく質摂取量の不足
- 慢性的な病気や身体の不調
- 外出や社会参加の減少
- 活動量が減ることによるさらなる体力低下
特に注意したいのが、「動かなくなることで、さらに動けなくなる」という悪循環です。 疲れるから動かない、動かないから筋力が落ちる、筋力が落ちるからさらに動くのが大変になる、という流れが起こることがあります。
フレイルのサインをチェック
次のような変化が増えてきた場合は、身体機能が低下している可能性があります。
- 以前より歩く速度が遅くなった
- 階段の上り下りが大変になった
- 椅子から立ち上がるときに手を使うことが増えた
- 少し歩いただけで疲れやすくなった
- 外出する機会が減った
- 以前より活動量が少なくなった
- 転びそうになることが増えた
- 体重が減ってきた
これらがあるからといって、必ずしもフレイルであるとは限りません。 ただし、複数の変化が重なっている場合は、一度自分の生活習慣や身体機能を見直してみることが大切です。
なぜトレーニングがフレイル予防に大切なのか
フレイル予防では、日常生活で身体を使うための筋力・持久力・バランス能力・身体を動かす能力を維持することが重要です。
トレーニングによって筋肉に適切な負荷をかけることで、筋力や身体機能の維持・向上を目指すことができます。
また、トレーニングそのものだけでなく、「身体を動かす習慣」をつくることにも意味があります。
「筋肉を大きくすること」だけが目的ではありません。
立つ・歩く・階段を上る・物を持つ・外出するなど、生活の中で身体を使い続けられることが大切です。
フレイル予防で鍛えたい身体の部位
フレイル予防では、特定の筋肉だけではなく、日常生活で使う身体全体をバランスよく動かすことが大切です。
| 部位 | 日常生活での役割 |
|---|---|
| お尻・太もも | 立ち上がる・歩く・階段を上る |
| ふくらはぎ | 歩行・足首の安定 |
| 体幹 | 姿勢保持・身体を安定させる |
| 背中・肩まわり | 姿勢保持・腕を使う動作 |
フレイル予防におすすめのトレーニング
① 椅子からの立ち座り
椅子から立ち上がる動作は、太ももやお尻などの筋肉を使います。 日常生活にも直結しやすいため、フレイル予防の基本的な運動の一つです。
- 安定した椅子に座る
- 足を肩幅程度に置く
- 身体を少し前に倒しながら立つ
- ゆっくり椅子に座る
② かかと上げ
かかと上げは、ふくらはぎを使う運動です。 立位で行う場合は、転倒しないように壁や安定した家具などにつかまって行います。
③ ブリッジ
仰向けで膝を曲げ、お尻を持ち上げる運動です。 お尻や体幹周辺を使うことで、立つ・歩くための身体づくりにつなげます。
④ ウォーキング
歩くことは、特別な器具を必要とせず、日常生活にも取り入れやすい運動です。 ただし、歩数だけを目標にするのではなく、自分の体力や体調に合わせて無理なく続けることが大切です。
筋力だけでなくバランス能力も大切
フレイル予防では、筋力だけでなく身体のバランスを保つ能力も重要です。
歩行中には、身体を前後左右に調整したり、段差をまたいだり、方向を変えたりする動作があります。 そのため、単純に筋肉を鍛えるだけではなく、身体を安定させながら動く練習も取り入れることが大切です。
片足立ちなどのバランス練習は、転倒の危険があります。 必ず安全な環境で、必要に応じて壁や手すりなどを利用してください。
歩く力を維持することもフレイル予防
歩行能力が低下すると、外出する機会が減り、さらに身体活動量が低下することがあります。
そのため、フレイル予防では「筋肉を鍛えること」と「実際に身体を使うこと」の両方を意識することが大切です。
ウォーキングだけでなく、買い物、散歩、家事、階段の利用など、普段の生活の中で身体を動かす機会を増やすことも一つの方法です。
フレイル予防とピラティス
ピラティスは、呼吸を意識しながら身体をコントロールし、背骨や関節を動かしたり、体幹を安定させたりする運動です。
フレイル予防では、単純な筋力だけではなく、「自分の身体をどのように動かすか」という身体操作能力も重要になります。 そのため、ピラティスをトレーニングの一つとして取り入れる方法があります。
- 呼吸をしながら身体を動かす
- 背骨や関節を無理なく動かす
- 体幹を安定させながら手足を動かす
- 左右差や身体の使い方を意識する
- 自分の身体に合わせて運動の難易度を調整する
ただし、ピラティスだけですべての身体機能を補えるわけではありません。 筋力トレーニングや有酸素運動、日常的な活動などと組み合わせながら、自分に必要な運動を考えることが大切です。
日常生活でできるフレイル予防
フレイル予防は、トレーニングの時間だけで決まるものではありません。 普段の生活の中で身体を使うことも大切です。
- できる範囲で歩く
- 長時間座り続けない
- 買い物や外出の機会をつくる
- 家事などで身体を動かす
- 階段を安全に利用する
- 人との交流を保つ
- 食事や睡眠など生活習慣を整える
「毎日しっかり運動しなければ」と考えすぎる必要はありません。 まずは、現在の生活の中で少し身体を動かす機会を増やすことから始めるのもよいでしょう。
トレーニングはどのくらいの頻度がよい?
運動の頻度は、年齢や体力、運動経験、持病、痛みの有無などによって異なります。 そのため、「全員が同じ回数を行えばよい」というものではありません。
まずは無理なく継続できる頻度から始め、身体の反応を確認しながら少しずつ調整していくことが大切です。
一度に頑張りすぎるよりも、長く続けられる運動習慣をつくることを意識しましょう。
トレーニングするときの注意点
フレイル予防の運動は、身体機能を維持するためのものです。 無理をして痛みや強い疲労を引き起こしてしまうと、継続が難しくなることがあります。
- 痛みを我慢して運動しない
- 体調が悪い日は無理をしない
- 転倒しない環境で行う
- 急に運動量を増やさない
- 水分補給を意識する
- 持病や治療中の病気がある場合は必要に応じて医療専門職へ相談する
強い痛み、胸の痛み、息苦しさ、めまい、失神、急激な身体機能の変化などがある場合は、運動を続けるのではなく医療機関へ相談してください。
よくある質問
Q. 高齢になってからでもトレーニングはできますか?
できます。 ただし、体力や関節の状態、持病などによって適切な運動内容は異なります。 最初は簡単な運動から始め、自分の身体に合わせて調整することが大切です。
Q. 筋トレだけすればフレイルを予防できますか?
筋力トレーニングは重要ですが、それだけですべてを補えるわけではありません。 有酸素運動、バランス練習、日常的な活動、食事、社会参加など、複数の要素を組み合わせることが大切です。
Q. ピラティスだけでも大丈夫ですか?
ピラティスは身体の動かし方や体幹のコントロールなどを意識する運動として活用できます。 一方で、筋力や持久力、歩行能力などを考える場合には、筋力トレーニングやウォーキングなどを組み合わせることも重要です。
Q. 運動が苦手でもできますか?
できます。 運動経験が少ない場合は、椅子からの立ち座りや短時間のウォーキングなど、日常生活に近い簡単な運動から始める方法があります。
まとめ
フレイルは、加齢に伴って身体機能や活動量などが低下し、健康な状態から介護が必要な状態へ移行する途中にある状態です。
予防のためには、筋力だけでなく、バランス能力や歩行能力、身体を動かす習慣などを総合的に考えることが大切です。
トレーニングでは、スクワットや椅子からの立ち座り、かかと上げ、ブリッジなど、日常生活につながる運動を取り入れることができます。 また、ピラティスを活用して、呼吸や身体のコントロール、体幹の安定性、関節の動きなどを意識する方法もあります。
大切なのは、年齢に関係なく「今の自分の身体に合わせて、無理なく身体を動かし続けること」です。 一度に頑張るのではなく、長く続けられる運動習慣をつくることが、これからの生活を支える身体づくりにつながります。
Studio Soraでは一人ひとりに合わせた運動を
フレイル予防では、年齢だけで運動内容を決めるのではなく、現在の筋力・柔軟性・バランス能力・身体の動かし方・運動経験などを確認しながら、無理なく続けられる方法を考えることが大切です。
Studio Soraでは、理学療法士の視点を取り入れながら、ピラティスとトレーニングを組み合わせ、一人ひとりの身体や目的に合わせた運動を行っています。
「運動を始めたいけれど何をしたらいいかわからない」「最近体力が落ちてきた」「将来も自分の足で歩きたい」など、身体の状態に合わせて運動を始めたい方にも対応しています。